『 骨壺の話 』
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    「終活」に関わる方に、ぜひ読んでいただきたい1冊。

     

    『骨壺の話』水上勉著・集英社文庫 1998年

     

    小説家・水上勉さんの短編随筆集です。

     

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    大量生産の白磁の味気ない骨壺。

     

    「なぜに、苦労多い人生を果てたのに、

     

    オリジナルな壺に入って、楽しまないのだろうか」。

     

    そう思い、リウマチで動かなくなった

     

    左指3本のリハビリを兼ねて、

     

    蹴り轆轤・手びねりで骨壺づくりをはじめたそうです。

     

    いまでは、水上さんの骨壺は高額で取り引きされ、

     

    著名人も購入しているとか。

     

    蓋に草亀をあしらったものと

     

    白玉椿をあしらったものの2種類があり、

     

    どちらも出身地の「若狭」への想いがこめられているそうです。

     

    原発開発に伴って、草亀も白玉椿もいなくなったと書きます。

     

    「私の故郷は十五基も原発が稼動する若狭だが、

     

    そこに住む人々は、生死の境目をつねに意識していて、・・・略

     

    どこへいって地震国、...略...故郷を愛しています。

     

    ここにしか住むところがありませんから」という。

     

     

     

     

    「死ぬこと生きること、とは、

     

    いま、お前の立っている場所のことだ」。

     

     

     

    天安門事件を目撃し、

     

    救援機で帰国した翌朝、水上さんは、

     

    心筋梗塞で倒れ、心臓の3分の2が壊死。

     

    しかし、10000人に1人という奇跡の生還。

     

     

     

    「死神はうりろからきて、冥界へひっさらってゆく。

     

    うりろからでは、予防しようもない」。

     

     

     

    倒れた際のこと、その後の入院生活、薬漬けになった体験、

     

    ほかにも水上さんの活動のお話など盛りだくさんです。

     

     

     

    「生き方」・「活き方」・「逝き方」が

     

    水上さんの美しい文章で織り込んである魅力ある1冊です。

     

     

     

     

    「毎日、寝る前に死ぬことにしている。

     

    一日が元気で無事におくれたら、それでもう満足である。

     

    あとは死ぬがいい。

     

    すなわち私のベッドが棺おけである。

     

    まっ暗の中で、声をだして誰にともなくいうのである。

     

    さようなら、みなさん」。

     

     

     

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    posted by: 立石 浩一 | ぼくの本棚 | 10:18 | comments(0) | - |
    『定年後』
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      『 定年後 』

       

      著者;楠木 新 / 出版:中公新書

       

       

       

       

      20歳から60歳まで会社で「40年間」勤め上げる。

       

      朝7時に家を出て夜10時に家に帰る。

       

      睡眠時間を除くと、

       

      1日のほとんどを「会社」に使っている男性が

       

      「定年」の翌日から「会社」に行かなくてもよくなる。

       

      言い方が違うな、

       

      「会社」に行けなくなる。

       

      満員電車に乗り込むことも、

       

      机の前に座ることも、

       

      同僚と話すことも、

       

      なすべき仕事も、

       

      なにもかもがなくなる。

       

      そう、「突然」なくなる。

       

      名前を呼ばれることも、病院以外にない、

       

      という笑い話ではない、現実のこととなる。

       

      20歳から60歳までの総実働時間は、

       

      8万時間ほど。

       

      しかし、定年後、死ぬまでは、

       

      8万時間を越えるという。

       

      2005年「経済協力開発機構」の「社会的孤立」調査によると、

       

      友人・同僚とスポーツ・教会・文化的サークル活動に参加したか。

       

      という問いに対して、

       

      「まったくない」・「ほとんどない」が

       

      調査国21か国中、日本男性は16.7%

       

      2位のチェコは9.7%、

       

      2位を大きく引き離してダントツの1位。

       

      日本人男性は、「世界一孤独」なのだ。と筆者は言う。

       

      また、定年後、行くところは、

       

      図書館・公民館・スポーツクラブ・ショッピングセンター・喫茶店。

       

      でも、その中でも、「孤独」。

       

      たしかに、ぼくが、

       

      「資格試験勉強」で図書館・公民館・喫茶店には

       

      そのような男性が多かった。

       

      かれらは、朝から晩まで、

       

      1日中いることも少なくない。

       

       

       

      ぼくの場合は、50歳過ぎから、

       

      早々と「セカンドライフ」を生きている。

       

      また、会社一筋の人生でもなかった。

       

      そして、「資格試験」・「やりたいことで暮らしていきたい」

       

      と思っていたため、

       

      この本に書かれているような「男性たち」にはなっていない。

       

       

      筆者は、「50歳からの生き方」が大切だといい、

       

      定年後の孤独を見据えての

       

      「助走」・「予行演習」が必要だという。

       

      徐々に定年後のことを考え、準備をしなければならない。

       

      地域活動・趣味・若い頃やりたかったことなどなど。

       

      ぼくは、「じぶん年表」を作って、

       

      振り返ってみるとよいと思っている。

       

      そうすることで、忘れていた自分を再発見できると思う。

       

      そして、筆者は、人生は、

       

      「60際から74歳までの黄金の15年」しだいであるという。

       

      「終わりよければすべてよし」。

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

      posted by: 立石 浩一 | ぼくの本棚 | 17:08 | comments(0) | - |
      『孤独のすすめ』
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        『孤独のすすめ』

         

        五木寛之 著 / 中公新書ラクレ

         

         

        ぼくは、本屋さんではじめの数ページを

         

        立ち読みして、すぐにレジにこの本を持っていきました。

         

         

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        * 本文を引用

         

        はじめに 〜

         

        「春愁」という感覚

         

        春爛漫の中でなんとなく感じる愁い、

         

        それもまた味わい深いものです。

         

        人生最期の季節をゆううつに捉えるのではなく、

         

        おだやかに、ごく自然に現実を認め、

         

        愁いをしみじみと味わう、

         

        こうした境地は、まさに高齢者ならではの

         

        甘美な時間ではないでしょうか。

         

         

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        この本を出筆時、五木さんは、84歳。

         

        昨今、「独居老人」・「孤独死」が

         

        取り沙汰されていますが

         

        筆者はいいます。

         

        〜 歳を重ねれば重ねるごとに

         

        人間は孤独だからこそ豊かに生きられる

         

        と実感する気持ちが強くなってきました。 〜

         

        そして、こう続きます。

         

        〜 孤独な生活の友となるのが、たとえば本です。

         

        ー 読書とは、著者と1対1で対話するような行為です。

         

        ー 古今東西のあらゆる人と対話できる。

         

        〜 視力がおとろえて、本を読む力が失われたとしても、

         

        回想する力は残っています。

         

         

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        また、「生前整理」・「捨てること」も

         

        以前から、よく聞く「コトバ」ですが、

         

        筆者は、「ガラクタはすてなくていい」といいます。

         

        〜 モノが回想の糸口になるのです。

         

        ー 一見ガラクラであっても、

         

        下山期の人間にとっては、

         

        すべてが回想の憑代となる。

         

        ー たとえマッチ一箱でも、コースター一枚でも、

         

        手にとって回想しているだけで半日過ぎていく。

         

        そういう幸せな時間を、大切にしたいものです。

         

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        〜 人生は、青春・朱夏・白秋・玄冬と、

         

        四つの季節が巡っていくのが自然の摂理です。

         

        ー だとすれば、後ろを振り返り、

         

        ひとり静かに孤独を楽しみながら

         

        思い出を咀嚼したほうがいい。

         

        ー 孤独を楽しみながらの人生は

         

        決し捨てたものではありません。

         

        それどころか、

         

        つきせぬ歓びに満ちた生き生きとした時間でもあります。

         

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        「アンチエイジング」=「抗加齢」。

         

        「抗う」必要なんてないんですよね。

         

        「老い」を認める。

         

        筆者は、「諦める」=「明らかに究める」ことが大切

         

        といっています。

         

        「自分の人生が培ってきた、頭の中の、無限の宝の山」と

         

        対話ができるのも

         

        「孤独」であるからにほかならない。

         

        「孤独」は決して、悪いものじゃない。

         

        そう思う一冊の本でした。

         

         

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        posted by: 立石 浩一 | ぼくの本棚 | 09:08 | comments(0) | - |